配偶者居住権とは?成立要件や効力
■配偶者居住権の成立要件と効力
配偶者居住権とは、夫婦の一方が建物を所有し、もう一方がこの建物に居住しており、所有者が死亡した場合に、所有者の配偶者が一定期間その建物に居住し続ける権利のことをいいます。
配偶者居住権の成立要件は、民法1028条1項に定められています。すなわち、①相続開始の時、配偶者が被相続人の所有する建物に居住していたこと、②(a)遺産分割により配偶者居住権を取得するものとされ、または、(b)遺言により配偶者居住権を取得したことが必要になります。また、被相続人が配偶者以外の者と建物を共有していた場合、配偶者居住権は発生しないため注意が必要です。
配偶者居住権の成立要件を満たした場合、建物の承継人は、建物の居住を認めるという負担付で建物所有権を承継することになります。これにより配偶者は、新たな所有者に対して賃料等を支払うことなく居住を続けることができます。
■配偶者居住権の意義
相続人が複数人いる場合、各自の相続割合は民法または遺言により定められます。そのため、配偶者が住居を取得しようとすると、配偶者の取り分のうち大部分を不動産が占めてしまい、生活に必要な預貯金はほとんど相続できないといった不都合が生じます。
そこで、被相続人の配偶者は居住権のみを相続し、建物所有権は他の相続人が相続するという選択肢をとることが考えられます。こうすることによって、配偶者は建物に住み続けられることができると同時に、生活費用のための預貯金も十分に相続できるというメリットがあります。
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羽田野 桜子はたの ようこ
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福岡県立修猷館高校卒業
一橋大学法学部卒業
九州大学法科大学院修了
2009年 弁護士登録
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