過払い金請求は誰でもできる?請求の条件と期限
過払い金請求は、法律の専門家である弁護士や司法書士に依頼せずとも、ご自身で行うことも可能です。そこで、過払い金請求を自身で行う場合の方法と注意点についてご説明致します。
まず、過払い金請求は、弁護士などの代理人に依頼せずとも自分で行うことができます。自身でこれを行うことで、弁護士費用などの費用を抑えることが可能になります、一方で、過払い金請求が戻ってくるまでの期間が長くなってしまったり、請求できる金額が少なくなってしまう可能性がある点がデメリットといえます。
自身で過払い金請求を行う場合、最初に行うべきこととしては、貸金業者との取引履歴を取り寄せることが挙げられます。最初のステップとしては、過払い金請求をする貸金業者から、いつ、どのような金利でお金を借りたのか、既にどの程度返済しているのかを把握するために取引履歴を取り寄せます。取引履歴は、電話やFAX、郵送等で取り寄せることができます。
次に、過払い金の引き直し計算をします。貸金業者から取り寄せた取引履歴を基にして、その金利が利息制限法の上限にひっかかっていないかを確認します。そして、その上限を超えた金利が設定されていた場合には、払いすぎていた分についてが、過払い金となります。この引き直し計算は、過払い金計算ソフトをダウンロードして、計算することができます。
この引き直し計算をして、過払い金がいくらあるのかを把握することができたら、貸金業者に過払い金返還請求書を送付します。貸金業者に対して、「過払い金返還請求書」と「引き直し計算書」を内容証明郵便で送付します。
上記送付をすると、貸金業者から連絡があります。そして、貸金業者と過払い金支払いの方法やその期限についての話合いを行います。ここで、納得のゆく和解ができれば理想的ですが、納得できなかった場合、裁判に移行することになります。裁判に移行した場合、和解によるよりも、手間と時間がかかることになるので、デメリットがあるといえます。裁判所による判決が出ると、強制執行によって強制的に過払い金が返ってきます。およそ、お金が返ってくるまでは、判決や和解から約2ヶ月から6ヶ月程とされています。
以上が、自身で過払い金を請求する手順ですが、注意すべきは消滅時効が完成しないようにすることです。民法の消滅時効の規定によれば、「最後の取引から10年間」「過払い金を請求できると知ってから5年間」で過払い金請求権が消滅してしまいます。そこで、過払い金があることを知り、これを返還請求したいと考えた場合、すぐに貸金業者に対して過払い金返還請求書を送付することが重要です。これを送付することで、消滅時効の進行が更新(リセット)されますので、これは非常に大切です。
過払い金請求をご自身で行うための手順をご紹介しましたが、この請求権が時効消滅しないよう気をつける必要があり、法律の知識がない方が全てを行おうとすると、非常に負担の大きい作業となります。
そこで、これらを行うときには、法律の専門家である弁護士や司法書士と協力して行うことで安心することができます。
羽田野総合法律事務所は、福岡県福岡市、中央区、博多区、早良区、城南区を中心に、離婚問題、相続問題、借金問題についてのお客様のトラブルを解決しております。どんな些細なものでも構いませんので、お気軽にご相談ください。
当事務所が提供する基礎知識
Basic Knowledge
-
任意整理手続きの流れ...
任意整理とは、債権者と債務者の裁判外の話合いを行うことで、裁判所の法的介入なくして行われる、弁済額、方法等について処理するものです。これは、弁護士などの専門家が債務者の代理人として債権者と話し合いを行ない、債務者の借金の […]
-
公正証書遺言の効力|...
遺言書には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。本ページでは、中でも公正証書遺言の効力や無効となるケースについて詳しく解説をしていきます。 ◆公正証書遺言の効力公正証書遺言は、効力自体は他 […]
-
代襲相続とは?相続割...
代襲相続は相続の中の一種ですが、通常の相続とは異なる部分もあります。本稿では、代襲相続とは何かといった点から、相続割合や相続放棄との関係性などについて、詳しく解説いたします。代襲相続についてそもそも相続とは、ある方がお亡 […]
-
相続手続きの流れと期...
■相続手続きの大まかな流れ相続手続きは、大まかにいえば、①前提となる情報の収集、②各相続人の意思決定、③所得税に関する手続き、④遺産分割方法の決定、⑤相続財産の名義変更、⑥相続税に関する手続きという流れで進んでいきます。 […]
-
自己破産手続き開始か...
債務者が自己の生活を立て直すための手続である自己破産ですが、その申立てから免責許可決定がおりるまでには、複雑な手続を行う必要があり、多くの時間が必要となります。本稿では、自己破産にかかる期間や手続の流れについて、詳しく解 […]
-
配偶者居住権とは?成...
■配偶者居住権の成立要件と効力配偶者居住権とは、夫婦の一方が建物を所有し、もう一方がこの建物に居住しており、所有者が死亡した場合に、所有者の配偶者が一定期間その建物に居住し続ける権利のことをいいます。 配偶者居 […]
よく検索されるキーワード
Search Keyword
弁護士紹介
lawyer
羽田野 桜子はたの ようこ
1日も早くお悩みを解決し、依頼者様が日常を取り戻せるよう尽力いたします。
- 所属
-
福岡県弁護士会
子どもの権利委員会
両性の平等に関する委員会
- 経歴
-
福岡県立修猷館高校卒業
一橋大学法学部卒業
九州大学法科大学院修了
2009年 弁護士登録
事務所概要
Office Overview
名称 | 羽田野総合法律事務所 |
---|---|
弁護士 | 羽田野 桜子(はたの ようこ) |
所在地 | 〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名2-4-19 福岡赤坂ビル701号 |
連絡先 | TEL:092-715-5251 / FAX:092-715-2452 |
対応時間 | 平日 9:00~17:30 |
定休日 | 土・日・祝日 |
アクセス | 福岡市地下鉄空港線「赤坂駅」徒歩1分 |