遺産分割協議書が必要なのはどんな時?協議書を作成をする際の注意点とポイント
■遺産分割協議書が必要になる場面
遺産分割協議は相続人全員の合意のみによって成立するため、遺産分割協議書を作成しなかったからと言って、遺産分割協議が無効になるわけではありません。しかし、預貯金の相続や相続登記申告、相続税申告の手続きの際には、遺産分割協議書の提出を求められる場合があります。そのため、後の手続きに備える意味で、遺産分割協議書が必要になる場合があります。
また、提出書類としては不要でも、念のため遺産分割協議書を作成しておくことをおすすめします。これは、後に遺産分割協議の内容を争うこととなった場合に、遺産分割協議書が有力な証拠となるからです。
■遺産分割協議書を作成する際のポイント
遺産分割協議書を作成する際には、①合意内容、②被相続人の氏名と死亡年月日を掲載し、③相続人全員で署名捺印を行います。
後の手続きで提出する際にトラブルの無いように、捺印は実印で行うようにしましょう。
■遺産分割協議や協議書作成の注意事項
遺産分割協議の取り決めの仕方や協議書への記載方法が悪いと、後になってから問題になることがあります。例えば銀行預貯金の分割方法を決める際には、以下のような取り決めがトラブルのもとになることがあります。
①預貯金の金額で分割方法を指定してしまう
遺産分割協議では、相続人全員で合意できるのであればどのような分割方法を選択しても構いません。したがって、銀行預貯金の分割方法を指定する時は、「Aに○○万円、Bに○○万円……」というように金額で定めることもできますし、敢えて金額は明示せずに割合で定めることもできます。
しかし、遺産分割協議が完了した後に預貯金総額が変動したような場合、金額によりしていると、調整方法が不明確になったり、不公平が生じたりするおそれがあります。このような不都合を避けるため、預貯金の分割方法を指定する際には金額ではなく割合によって取り決めをするのがおすすめです。
②口座を特定して分割方法を指定してしまう
預貯金の分割方法としては、「X銀行〇支店の預貯金をAに、Y銀行△支店の預貯金をBに……」というように預金口座を特定して各相続人に分配するという方法も考えられます。
しかし、このような方法をとると、葬儀費用の拠出等によって口座残高の比率が変動した際に不公平が生じてしまいます。したがって、口座を特定して分割方法を指定するのも、金額による分割と同様、おすすめしません。
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