性格の不一致による離婚|具体的な方法や慰謝料相場など
日本人の離婚理由としてもっとも多いのが「性格の不一致」によるものとなっています。
しかしながら、もっとも多い理由とはなっているものの、性格の不一致を理由に必ずしも離婚が成立するわけではありません。
また、相手が離婚に応じてくれないといったこともあり得るでしょう。
本ページでは、性格の不一致による離婚の具体的な方法や慰謝料の相場について詳しく解説いたします。
◆そもそも性格の不一致とは?
性格の不一致と聞くと、価値観や生活習慣などの違いが想起されます。
具体的には、食事のマナーや時間にルーズかどうか、政治思想や宗教観の不一致、趣味の違いなどが挙げられます。
離婚を考えていない方からすれば、かなり瑣末なことのように思われますが、上記のような性格の不一致からストレスを溜めてしまう方がたくさんいらっしゃいます。
◆性格の不一致で離婚をする方法
日本の民法では離婚には、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」の3種類があります。
それぞれ詳しく解説をしていきます。
●協議離婚
協議離婚とは、夫婦の話し合いによって離婚条件を決め、離婚届を作成して役所に提出する方法です。
日本では、離婚する夫婦のおよそ90%が協議離婚の方法をとっています。
●調停離婚
協議による離婚が難しい場合には、家庭裁判所を通して調停によって話し合いを行うことになります。
2人の調停委員と調停官の3名から構成される調停委員会を介して、話し合いが行われます。
協議の際に感情的になってしまいがちですが、調停であれば、調停委員会が仲介をしてくれるため、冷静に話し合いを進めることができます。
●裁判離婚
調停によっても協議がまとまらない場合には、裁判離婚を利用することになります。協議離婚と調停離婚までは当事者同士の話し合いによる解決を目指すものとなっていましたが、裁判離婚に関しては、裁判所が離婚を決定することとなります。
もっとも、裁判離婚については、民法770条1項各号に該当する、法定離婚事由のいずれかが必要となります。
(参照 民法770条1項)
①配偶者に不貞な行為があったとき。
②配偶者から悪意で遺棄されたとき。
③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
●性格の不一致による離婚の方式
性格の不一致は、法定離婚事由に該当しないため、基本的には協議離婚か調停離婚によってのみ離婚を成立させることができます。
方法としては、上記で説明した通り、協議離婚であれば当事者同士の話し合いをし、離婚届を作成する、調停離婚であれば調停の場で話し合いを行うというものになります。
裁判離婚は利用できないと説明しましたが、性格の不一致以外に不倫やモラハラ、DVなどがあれば、裁判離婚を利用することもできます。
◆相手が離婚に応じてくれない場合
相手がどうしても離婚に応じてくれない場合には、離婚を成立させることができません。
そこでどうしても離婚をしたい場合には、別居を選択するという方法があります。
別居が長期間に及ぶと、それ自体が離婚原因として評価されるため、裁判離婚も認められやすくなります。
特に、離婚を考えられている方が専業主婦(主夫)で、相手に収入がある場合には、別居開始後に相手に生活費を請求することができます。
ここで、相手としては、夫婦生活が営まれていないのに、生活費を支払うのは馬鹿馬鹿しいと感じて、逆に離婚を希望するようになるケースは少なくありません。
◆性格の不一致による離婚の慰謝料
性格の不一致で離婚をした場合に、相手に慰謝料を請求することができるかというご質問を多くいただきますが、これは基本的には不可能であると考えられます。
慰謝料は、夫婦生活の継続を破綻させたことによる責任を理由に発生するものであり、性格が合わないといった理由であれば、どちらの責任でもないため、慰謝料が発生する可能性は非常に低くなっています。
もっとも、相手の不倫やDV、モラハラがあるような場合には、慰謝料が認められます。
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羽田野 桜子はたの ようこ
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