個人再生の申立て方法
個人再生とは、裁判所に申立てを行い、借金額を減額してもらう債務整理方法です。任意整理や特定調停との相違は、元本額自体を減額してもらえる点といえます。
個人再生には、利用するための条件があり、これを満たさないと裁判所からの許可が出ません。ここでは個人再生の利用条件、そして、弁済開始までの流れをご紹介致します。
個人再生の利用条件は主に2つあります。1つ目は、将来的に継続又は反復した収入があり、再生計画に則った弁済ができることです。アルバイト収入を得ている方は、そのアルバイトが相当期間継続しているならば、今後も収入があるものと見込まれ、計画に則った弁済ができると評価されることが多いです。一方で、継続したアルバイトではなく、アルバイトを転々としているような場合には、継続した収入がないとして、計画に則った弁済ができないものと評価される場合があります。また、個人事業主の方で、安定した収入がないとしても、3ヶ月に1度で計画に則った弁済ができる場合には、計画に則った弁済ができるとして、個人再生が認められる可能性があります。
2つ目は、借金総額が5000万円以下であることです。この5000万円は、利息制限法の引き直し計算後の額です。債務額が5000万円以上の場合や、その債務が法人のものである場合には、民事再生法の対象となるため、個人再生の対象とはなりません。以上が、個人再生を受ける際の条件です。
では、どのような手順で個人再生は行われるのでしょうか。おおまかに①〜⑥のステップに分けることができます。
まず、①弁護士や司法書士などの法律のプロフェッショナルに相談し、委任契約を締結します。そして、弁護士などと委任契約を結ぶと、弁護士は債権者に対して受任通知を送付します。この受任通知によって、債権者からの取り立て止まることになるので、非常に大切な手順といえます。
②裁判所に対して個人再生の申立てを行います。地方裁判所に対して個人再生の申立書類を提出することで申立てを行うことができます。裁判所は、個人再生委員を選任する場合があります。個人再生委員は、書類や財産の有無を確認し、申立人から提出される計画案に対してアドバイスすることができます。また、履行テストといって、申立人が本当に返済能力を有するのかを確認する作業が行われます。
③個人再生手続の開始決定がされます。個人再生委員が提出した意見書を考慮して、裁判所は、個人再生手続を開始する決定をします。個人再生手続が決定すると、債権額を確定させます。
④裁判所に再生計画案を提出します。債権額が確定し、借金いくらであるのかが確定すると、申立人や弁護士と相談して、どのような計画で弁済していくのか、という再生計画案を裁判所が定めた期日までに提出します。
⑤裁判所は再生計画案を認可するのかを決定します。申立人から提出された再生計画案に対する債権者の同意・不同意を基にして、裁判所が再生計画案の認可・不認可を決定します。
⑥上記計画に基づいて弁済を開始します。この弁済は、1ヶ月に1度、2ヶ月に1度、3ヶ月に1度のいずれかで行ないます。
以上が、個人再生の流れです。個人再生は、裁判所の関与する手続きですので、法律の専門家である弁護士や司法書士と協力して行うことで、安心して手続きを進めることができます。
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羽田野 桜子はたの ようこ
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福岡県立修猷館高校卒業
一橋大学法学部卒業
九州大学法科大学院修了
2009年 弁護士登録
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